仮彼氏。
第4章 契約。
入学当初、千晴は学校中の噂になった
“物凄い美人が一年にいる” と。
「モテすぎなんだよあいつ…」
先輩からも同級生からも順調に支持を集め、毎日のようにコクられていた
何度告白現場に遭遇したっけ……
そして俺も、千晴に心を奪われた一人だった
チャプン
これまた無駄に広い湯船に体を沈める
「はぁ…」
三年間同じクラスってだけで奇跡だと思ってたのに、千晴にコクられたときは本当に舞い上がった
“表向きだけでいいから”っていう言葉で一気に落とされるわけだけど…
「契約、か…」
自分でも無茶苦茶だと思う
だけど、どんな形でもいいから千晴を繋ぎ止めておきたかった
…案外エロいからな、あいつ。