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手探りな絶望

第6章 溺愛

その時だった




「お・・」




「・・・・?」



冬実の
声が小さすぎて


冬実が
なんだか
泣いてしまいそうで


泣いた顔なんて
俺は
みたくなくて



テーブルの向こうの
冬実に
耳を近づけ

俺は



目を閉じた





トクン・・トクン・・

トクン・・




俺の心音しか
聞こえない
暗闇の中



小さな

小さな冬実の声が
届いた




「よろしく

お願い・・します」




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