手探りな絶望
第6章 溺愛
「佐々木さん」
「?」
肩は
触れ合ってたんだ
「冬実って
呼んでも・・いいかな」
そっと
冬実の背中に
手を回して
ちょっと
うつむいた冬実の顔を
覗きこむと
赤らんだ
首が目に入った
「違う呼び方がいい?」
冬実の
薄化粧の頬に
・・・触れたい
「・・ううん・・」
「冬実・・」
「・・・はい」
「ありがとう」
髪が短くて
冬実の頬も
耳も
首筋までも
いつもあらわで
その滑らかそうな
肌に
触れたかったよ
その肌に
キス
したかったんだ
僕の
彼女になってくれて
ありがとう
そして
僕は
冬実の頬に
キスをしたんだ
まるで
もものような
その頬に