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手探りな絶望

第6章 溺愛

数分たったころ
冬実がつぶやいた


「あ、の…」


抱きしめているせいで
顔の見えない
冬実の声を

俺は

少し胸が痛くなりながら聞いた



「周平さん…」




「ごめん
焦りすぎた


冬実を
なんか
俺のもんに
したくなった


ごめん」



抱きしめたまま
髪をなで

手のひらで
ごめんねを
伝えた



顔を

見るのが
怖かった



顔を

見られるのが


なんだか
怖かった



「違うの…」



「…違わない」



「違うよ…」






「何が?」






「今日は…体調が悪いの…」



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