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手探りな絶望

第7章 献身


俺は
ブログを閉じ

ベットに
寝転がったまま
真っ暗な部屋の
天井を見つめた




俺だって

母親には
わりと冷たく接することがある


身内だからこそ
そんな口調になったり
…怒ったり…するよな



あんなの


当たり前のことなのかも








そして俺は
ゆっくりと目を閉じて

あの日のことを
思い出していた



言いたくないと
言ったから
聞かなかったんだ



来ないでって
言われたから
行かなかったんだ



そんな簡単に
人に言えないこと
…だったんだよな…



俺が
もう少し大人で

もっと強引で

もっともっと
君に
頼りにしてもらえるような
男だったら…



あんなことには
ならなかったんだ





だから冬実



冬実が
俺を頼りにしてくれるまで


冬実が
全てさらけ出してくれるまで


俺は待つよ





あの人の言う通りだよな




俺は今
冬実が好きだから
こんなにも
苦しい

でも

この苦しみから
逃れたいなんて
思わないんだ



もう

明日が
怖いなんて
思わない



冬実が

何でも話せる存在に



…早く





なり…たい…

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