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手探りな絶望

第8章 懇願



「痛かったろ?」



素肌のまま
腕枕をし
俺は冬実の頬に触れた



「…平気…」



「バレるのに
なんで内緒にしてたんだ?」




「…なんだか…恥ずかしくて

…ひかれちゃいそうで…」





「はじめての方が
うれしい男もいるのに?」



「周平さんが…
そういう人なのかどうか…
わからなかったから…」



「冬実?」



「…ん?」



「そんなことは
どーでもいいんだよ」



「……」




「でも」




「……」





「ちょっとだけ
嬉しかったけど」




人肌のぬくもりと
冬実の肌触りが

たまらなく
心地よくて

久しぶりの
セックスの疲労感と
満足感が
心地よくて


俺を眠りに誘った


このまま



眠っちまいそう




このまま





朝まで






ブーブー……

ブー……




ガラケーの振動音は
耳に入ったけど


俺はもう


半分
起きてはおらず



そのまま







眠りに
落ちてしまった

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