手探りな絶望
第9章 衝撃
こんな時間に?
時間は
まだ
7時少し前だった
「もしもーし」
「おう、なんだ珍しーな
起きてたのかよ」
「ん?…あぁ」
「あれ?
お前、家じゃねーの?」
「あぁ…冬実んとこから
帰ってるとこ」
「え?今?」
「あぁ」
「なんだよ
喧嘩でもしたのかよ
こんな朝早く帰るとか
あ、あ〜あれか
ひでーエッチして
追い出されたのか?
がははは(笑)」
「…かもなぁ(苦笑)」
「あれ…なんだよ
元気ねぇじゃねーか
大丈夫か?」
「お前に聞かれると
俺、ほんとなんで今
帰ってんのか
よくわかんねーで(苦笑)
なんかなぁ…はぁ…」
「野球やんぞっ!」
「え?」
「おっさん3人から
忙しいから今日行けねーって
朝から電話あってさ
人数足りねーの
お前、デートかと思って
誘ってなかったけどさ
調度いいや
行くぞ、野球」
「野球なんか行かね〜」
「なんかだとぉ〜!!」
「野球なんかなんかなんか
興味ねーし〜!」
「俺、家出るとこだから
迎えに行ってやっから
行くぞ、周平」
「…しかたねーな
寝不足だから
動けねーけど」
「かまわねーよ
おっさんよりか
動けるさ
ほんじゃ、後でな」
「おぅ」
俺は
もう
コンビニに行くのをやめ
家に向かって
軽くジョギングをはじめていた
このモヤモヤを
なんとかしたかった
冬実と抱き合えて
うれしいけど
冬実の情熱的なキスは
嬉しかったけど
なんとも言えない
モヤモヤを
なんとか
消化したかった
ありがとな
寺田