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手探りな絶望

第10章 絶望

「柴田さんと佐々木冬実は
知り合いだったんじゃねぇのか?」



「あぁ…

そうかも
知れねぇ

けどさ
冬実の車運転するほどの
知り合いだったら
FAX見つけた段階で
それ、俺に言わないか?

もし、言いにくくて
そのあとで
冬実を見つけたとしたら


電話くらい
俺にくれても
いいと思うんだけどさ…」




相変わらず

俺の携帯は
鳴らないままだった



「てかお前
いくら佐々木冬実に
渡したんだよ」



「120万」



「はぁ??!!
嘘だろおい」



「マジ
有り金全部だ」



「信じらんねぇ…」



「だよな(苦笑)」



「いくら千夏のことが
あったからって
そこまでしなくても…」



「柴田さんが
言ったんだよ…

後悔しないように
付き合えって…」



「けど…お前…。

てか
わりと貯金してたんだなぁ(笑)」



「まぁな
会社入ってから
毎月2万天引きだったから
丁度そんくらいだ」



「でさ

佐々木冬実が
120万いるって言ったのか?

お前が
120万なら用意できるって言ったのか?」




「俺は言ってねぇよ
冬実が言ったんだ

そんくらい必要だって」




「周平が120万持ってるって
教えたのか?」



「いや

そんなこと
言ったことねぇ」



「ふ〜ん…」



「なんだよ」



「通帳とか
見られたのかもな」



「はぁ〜……」



寺田ほセリフに
俺は
グーの根もでなかった

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