テキストサイズ

手探りな絶望

第11章 千夏


「寺田…」


「んん?」


「ちょっと…疲れたよ」


「あぁ」


「帰るかな…」


「大丈夫か?」


「あぁ、大丈夫だ」


「ほんとか?」


「そんな…心配すんなよ」


心配するに
決まってんじゃねーか

……ずっと
お前のことは、心配なんだよ…


「帰るなよ」


「なんで」


「……つまんねーから」


「なんだよそれ(苦笑)」


「いいから、今日は泊まれよ」


「いや…帰るよ…」


「送ってくよ」


「歩いて…帰るよ」



周平の背中は
まるで、あの時のように
小さく
あの日のように…泣いているみたいだった



ストーリーメニュー

TOPTOPへ