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手探りな絶望

第12章 愛情



「最初は…

最初は怖くてひどい人だと
思ってたの
冷たくて…優しくなんてないって。

でも
話してるうちに
何度も会ってるうちに
すごく優しい人だって分かって

好きになっちゃったの


好きに…
なっちゃっ
いけなかったのに」




「好きになっちゃいけないなんて・・・

家族の…いる人なの?」




「違うよ

でも
ダメだったの
絶対に
お母さんやお父さんに
反対されちゃう人(苦笑)

ごめんね、お母さん
でも、もう別れたから
大丈夫
お母さんに心配かけないから」



「反対するなんて
誰が決めたの?
分からないじゃない
そんなこと」



「う、うん…」



「そんなに
好きだったのに…

喧嘩でもしたの?」



「ううん
喧嘩なんて
一度もしたことないよ」



「もう一度
お付き合いできないの?」



「……無理だよ



嫌われちゃったから…」




「冬実……」

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