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手探りな絶望

第12章 愛情



何年ぶりかな…



お母さんは
私を抱きしめ
何度も
私の名前を呼びながら
背中をなぜてくれた


お母さんの前で泣いたのも

お母さんに
こうして
抱きしめてもらったのも



お姉ちゃんが
いなくなってから
初めてかもしれない



心を
病んでしまった
お母さんに
甘えることもできず
心配かけることもできなかった


その頃
単身赴任だった
お父さんは
お姉ちゃんのことで
お母さんとうまくいかなくなり
しばらくして離婚してしまっていた


私は


ずっとずっと


誰かに
甘えたいと
想っていた



だから



だから
もっともっと
周平さんに



甘えたかった…

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