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手探りな絶望

第16章 別離


冬実がいなくなって
少し
涙が落ち着いた頃


俺の携帯が鳴った



画面には
寺田の文字



大きく
深呼吸をして
俺は
画面をタップした


「あぁ」


「散歩も
くたびれちまったから
もう戻ってもいいか?」



「あぁ」



「死にそうな声だな」



「一回死んだよ」



「そうか」



「あぁ」



「俺んち来るか?」



「実家か?」



「あぁ。
朝まで飲もうぜ」





「悪くねーな」




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