手探りな絶望
第16章 別離
それから
寺田の運転で
俺は
寺田の実家に
連れていかれた
久しぶりに
おばちゃんに会って
嬉しかったけど
やっぱり
笑顔を作るのは
辛くて
そんなことを
察した寺田は
実家に車を置いて
飲み屋街に
俺を連れ出した
「いいのかよ
おばちゃん
お前と飯、食いたかったんじゃねーのか?」
「また帰ればいいさ
気にすんな
かぁちゃんいたら
お前も泣けねーだろ~~?」
「は?
泣かね~よ」
「泣いてたくせに」
「見てたのかよ!!」
「あ、やっぱ
泣いてたのかよ~~(笑)」
「おまっ・・
クスッ(笑)」
「なんだよ」
「いや
お前がいてよかったよ」
「は?」
「ひとりだったら
最悪だったろうと思ってさ」
「女だったら
ヤッてるだろ?」
そう言って
白い歯を見せる寺田に
俺は心から感謝していた
「だな~~(笑)
女じゃなくても
ヤるかもだぞ?
言っとくけど
俺が入れる方だけどな(笑)」
「マジかよ~~~~」