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手探りな絶望

第19章 休日

数日後



「冬実〜」


「ん?」


「片付けは
もういいから
こっちおいでよ」


「…あ、うん…」


俺の部屋に泊まりに来た
冬実は
なかなかベッドに入らない

しびれを切らした俺は
ベッドをおりて
冬実のそばまで行き

冬実の
手をにぎった


「おいで」

「…うん」

「緊張してんの?」


冬実は
視線を泳がせた

まだ
一度しか
経験のない冬実の
緊張が伝わると

俺は
とてつもなく
冬実が愛おしくて
たまらなくなった

冬実の手をひいて
ベッドまで移動し
ベッドに冬実を座らせて
俺も隣に腰を下ろした

冬実の眼鏡を外してやると
冬実が
少しうつむく


その
うつむく顔を
覗き込むようにして
キスをして
優しく抱きしめると
冬実が
俺の背中に手を回した


「好きだよ…」


「…ん…」


冬実の首に
くちづけして
柔らかな頬に
俺の頬をすり寄せ

冬実のパジャマのボタンを
ゆっくりと外した

パジャマを
脱がせると
冬実は
俺にぎゅーっと
抱きつく


「電気、消すから」


「…うん」


冬実を
ベッドに寝かせて
布団をかけ
電気を消して
慣れない暗さに
包まれると

俺は
ふと
あの日見た
夜空を思い出した


流れ星が
見えたなら
何を願うだろう


今、俺は
何を願うんだろうか




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