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手探りな絶望

第1章 流星

「あ、す、すみません」


女は俺に謝ったが
その女
全く俺のことなど見ていない


見ていないどころか
息を上げて
キョロキョロと
周囲を気にし


そして
なぜか



俺のダウンジャケットを
つかんでいた



参ったな

なんかヤバイ気がする





そんな俺の勘は的中した





「たっ…助けて下さい…」




その女が
やっと俺の顔を見たかと思うと
そんなことを言ってきたからだ








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