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手探りな絶望

第1章 流星

知らない奴の
面倒なことに
巻き込まれるとか


最悪。


しかも
暴力ざたなら
尚更だ。


「助けて」の言葉に俺は


めんどくせーな


そんな顔をしたのかもしれない


女は俺の顔を見るなり
ハッとした表情をして
すぐに俺のダウンジャケットから
手を離した


まぁ、本当に
迷惑だと思ってるわけで
女がそう理解したのなら
好都合だ


その時


俺たちのすぐ脇を車が通り
車のヘッドライトが
女を照らした



なっ…
なんだよ、それ…



さっきまで
暗くて
気付かなかったが

髪の短いその女は


顔にケガを
しているようだった




周囲には
誰もいない





俺が助けなかったら
この女


どうなるんだろう…

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