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手探りな絶望

第3章 接近

もちろん
携帯のことは
気になったが

それよりも
佐々木冬実自身のことも
頭から離れない



佐々木冬実の
仕草のひとつひとつや

会うたびに
メガネをかけたり
外したり…

ナチュラルだったり

厚化粧だったり…泣いていたり…



色んな顔を見せる
佐々木冬実が
俺の脳内を駆け巡った



その思考を止めるように

俺は
ポケットから
携帯を取り出し
ブログを開いた



もちろん
誰からもコメントはない



なぜか
そんなことに
安心しながら

文字を打つ



『なんかいいよな……

気になることは
色々あるけど』



更新・完了。






















そして今

猛烈に
気になっていることを
言葉にしてみた




『メール

俺から
した方がいいのかな…』




更新・完了。















その時だった






画面に現れた
一行の文字




『コメント一件』




うそ…

マジ?

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