手探りな絶望
第4章 野球
酒が強いのか
弱いのか
白い肌に
赤い頬をさせて
俺のすすめる
日本酒も
少しずつながら
口をつけている
小さな小さな
お猪口を
小さな小さな
唇で
少しずつ
少しずつ
嗜む
そんな
佐々木冬実を見ていると
俺が
酔ってしまいそうだった
そんな
いい気分に
なった頃
「藤沢さんは
お休みの日
何をしてるんですか?」
佐々木冬実から
今日始めての質問を受けた
「別に…なんだろ(苦笑)」
「じゃあ…例えば明日とか
明後日とか何してるんですか?」
「あ、あ〜…
明日はなんもねーけど
明後日はちょっと用があって
あ、だから
飯が今日になったんだけど」
「大切な用があったんですか?
なんだか
すみません
私はいつでもよかっ…」
「いや、別に大切とか
そんなんじゃねーんだ
え〜っと…
明日の夜は
酒飲みたくなくて
って言うか
佐々木さんとは
酒飲みたかったから
あ、あれ?(笑)
なんの話か
わかんねーよな?(笑)
ごめんごめん」