手探りな絶望
第4章 野球
それから俺は
寺田の話と
寺田に誘われた
草野球の話をした
すると
「野球ですか?!」
と、佐々木冬実は
背筋を伸ばした
そんな彼女を見て
ふと
寺田の言葉が
脳裏をよぎった
連れて来いよ
いや、それは…
「もしかして…
藤沢さん野球やってたんですか?」
「あ、うん、まぁ…
ちっちゃい時から
野球やってたんだ
クリスマスのプレゼントは
必ずグローブかスパイクだったくらい
野球好きでさ」
「そうなんですかぁ…」
彼女は
右手を胸に当て
少し
微笑んだ
「佐々木さん…
野球、興味あるの?」
「はいっ!」