手探りな絶望
第4章 野球
「あ、ち、違うんです
あの
なんていうか…
予定を確認して
それから
大丈夫だったら
あの、行ってもいいですか?」
「え?
い、いいの?」
「はい、あのでも
ちょっと電話をしても
いいですか?」
「あ、うん
もちろんもちろん
用があるなら
また…誘うから
気にしないで
あ、でも電話していいよ
今する?」
「じゃあ…はい、今聞いてみます」
彼女が席を立とうとした
「佐々木さん
ここで電話していいよ
俺、トイレ行ってくるから
そんで
電話終わったら
扉、開けといてよ
扉閉まってたら外で待ってるから」
「すみません、藤沢さん」