手探りな絶望
第5章 寺田
グランドに着くと
彼女か来ると伝えてあった
寺田が
真っ先に駆け寄ってきた
「おぉ〜!!
なんちゅー可愛さや!!
周平にはもったいない〜〜!!」
「おい!寺田っ!
もったいないとか言うなって」
まだ
付き合ってる訳じゃねーんだから
「わり〜わり〜(笑)
俺、こいつの幼馴染で
腐れ縁の寺田。
え〜っと…佐々木さんだよね?
はじめまして、よろしくっ」
圧倒されたような
佐々木さんは
相変わらず小さな声で
「さ、佐々木です
あの…よろしくお願いします」
そう言って
口を紡いだ
「ごめんな?
こいつ、悪い奴じゃねーんだけど
とにかく
こーゆー奴なんだ(笑)」
「なんだよ!
ちゃんと紹介しろっつーの(笑)」
俺と寺田が笑うと
彼女もつられて
微笑み
俺はホッとした
彼女にベンチを用意して
俺は
軽くアップをはじめた
運よく天気は快晴
寒い毎日に比べたら
風も少なく最高の野球日和だ
ベンチに目をやると
ちょこんと座って
キョロキョロする
彼女か見えて
更に最高
俺は
まだ
彼女を彼女にしてもいないのに
今日のミッション予定の告白に
もう
OKをもらったような
そんな気分になっていた