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手探りな絶望

第5章 寺田

試合が終わると
寺田や仲間のおっさん達は
いつものように
さっさと身仕度をはじめた

これから
みんなで風呂に入り
飲んで帰るのが
いつものやり方なんだ


「周平、この後
どーなんてんだ?」


さすがに
佐々木さんのことが
気になったのか
寺田が俺に確認をしてきた


「あ〜…

飯は約束してんだけど
そーいえば
俺、こんなだよなぁ

考えてなかったわ」



俺は
土まみれの
汗まみれ

このまま
飯なんて
とんでもない状態で


自分の
あまりの
無計画さに苦笑いが漏れた


「何やってんだよ

だから
お前は昔っから…

あ、いや
そんなことはいいや

とりあえず
風呂だけ一緒に行ってもらうか?

それとも…」



「それとも?」



「お前んちで
お前がシャワー浴びるまで
部屋で待っててもらうかぁ〜〜?」



寺田は
意味深な言い方で
似合いもしない
色気をかもし出していた

まぁ

俺の心の中も


似たような事を
考えちゃってたけど…。

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