高校変革期
第2章 カーテンの隙間
あのあと
佐々木海人が落ち着くのを待ってから
校舎を出た
佐々木海人も私と同じ方面の電車に乗るらしい
まだ足取りはおぼつかなかったから
私が肩を貸しながら駅へ向かった
電車には間に合った
私達はふたりで電車に乗った
特に何かを話すわけでもなかったが
自分が電車を降りる直前に
佐々木海人から連絡先をもらった
「お礼がしたいから
連絡くれると嬉しいな」
私はそれを笑顔で受け取ったが
電車を降りた直後にバラバラに破いて
駅のゴミ箱に捨てた
私は男と仲良くなりたくて
声をかけたんじゃない
ましてやお礼なんて
めんどくさい。
もう二度と関わらないつもりだった