
蛹
第5章 5
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
孝之わひじりのマンションの前に来ていた
…ひじり…
…ピンポーン
しばらくすると扉が開いた
バスローブ姿のひじり…
「孝之!!どうした!!」
「ひじり…俺…俺…」
「ひじりさ~ん!!だぁれ?」
ひじりの後ろにあの女が立っていた、女もバスローブ姿だった
「…!!帰る…ごめんな…いきなり来て…ほんと…ごめん…」
「孝之!!」
孝之わ走った!!
とにかく走った…
涙が止まらなかった
…ひじり…ひじり…
「ひじりさん?どうしたの?」
「何のつもり?」
「私わ、いずれあなたの奥さんになるかもしれない相手ですよ。」
「………着替えて帰ってくれないか……僕が怒る前に。」
「…わかったわ。ごめんなさい…失礼します」
着替えて帰る女
「孝之…」
ひじりわ車を走らせ孝之を探した
「孝之…孝之…」
「あれぇ…お前孝之くんぢゃん!!久しぶり!!」
街を歩いていたら、いつしかのチンピラに会ってしまった
「探したよ~!!」
掴まれ路地まで引きずりこまれた
「おい…今までどこに隠れてた?…今度わ逃がさね~からな!!おい!少し可愛がってやれ」
腕を掴まれ身体中殴られ蹴られた…路上に倒れ込み、馬乗りで顔を殴られ続けた…
「殺せ…もう、いい、楽にしてくれ…」
「わかったよ!!おい!片付けろ!!海にでも埋めりゃわかんねーよ…」
殴られ続け、孝之わ、意識を手放した。
…ひじり……さようなら……
ひじりの声が聞こえてきた…………
ひじり…………
