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第5章 5


…夢?…ひじり?

…ひじり…行かないで…ひじり…呼んでるの?…俺を呼んでるの?ひじり…

「ひじり………」


孝之に光りがさした


「…ん…っ…」


「先生!!すぐ来て下さい!!患者さんが目を冷ましました…」

佐久間が急いで集中治療室に向かった


「孝之!!孝之!!孝之!!大丈夫か!!」

「…ん……ん」

「孝之!!孝之!!」

抱きしめる佐久間。

「先生!!離れて下さい怪我人ですよ!!」

「…すまない」

離れる佐久間

「……ここわ」

「病院だ」

「病院…?」


「左手骨折、左足骨折…あばら三本ひび入ってる、肩も打撲、顔の傷も酷い、全治2ヶ月わかかるな!!」

「2ヶ月? うそだろ…」

「安静にしてもらうぞ!わかったか?」

「…はぁ、わかったょ」
「よろしい。」

佐久間が部屋を出て行く
「たまたま通りかかったそうですよ。佐久間先生と知り合いですか?先生自分の車にあなたを乗せて来たんですよ…佐久間先生も左手をケガなさって、何針か縫ったそうですよ。医師にとって手わ命です…失礼します」

「……なんで、なんで助かったんだよ!!」

大声を張り上げた!!

看護士が慌てた様子で駆け寄ってきた

「どうしたんですか?大丈夫ですか?」

「帰りたい…お願いだから帰らせて!!」


「無理です…まだ歩ける状態ぢゃないです」

孝之わ、大人しくした


その日から孝之わ誰とも口を聞かなくなったのだ佐久間とさえ話さなかった

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