
蛹
第6章 6
孝之の退院の日が一週間後に決まった
佐久間わあれ以来病室に顔を出さなくなった
「退院ですね、しばらくわ安静に過ごすようにしてくださいね。」
「……」
「あ!!佐久間先生ですが、来月ご結婚なさるそうですよ!!あなたのこと毎日毎日カルテの確認に来ていましたよ。」
…動揺していた
……結婚…
……ひじりが、結婚…
……そうなんだ。
退院の日
病室から…会計に一階に降りると、入院患者らが結婚の話題で盛り上がっていた
…ほんとに結婚すんだ…ひじり
会計してると、反対側にあるエレベーターからひじりが降りてきた
「佐久間先生よ!!ご結婚おめでとう!!」
患者らの声の中、ひじりわ微笑みながら
「ありがとうございます…」
チラッと見てしまう…
会計が終わり、振り向いた瞬間ひじりと目が合った
「…」
「…」
お互い目が合ったままそらそうとわしなかった
「退院ですか…良かったですね。」
「……なぁ、それわ医者として、それとも……」
「もちろん…医者としてだよ。」
「わかった。ありがとうございます。いろいろお世話になりました。お幸せに。」
ひじりの横を通り過ぎ出口に向かった
タクシーに乗りマンションに帰るとあきらからの手紙があった
…拓哉が自殺 をはかって入院した。どこにいるんだ、すぐに連絡くれよ。
次の日マンションを解約し、街をさまよった…
あてもなく歩いてると、またあのチンピラに会う
「おや!!孝之くんぢゃん!!ケガ良くなったのか?」
「またお前らか…もういいからどこにでも連れて海にでも沈めてくれっ!」
「そうわいかないんだな…あの先生がよ、お前のオヤジの借金返済してくれたんだよ!しかも上乗せしてくれてよ、お前に手出すなってな!金持ちわすげーよな!そういうことだから、先生によろしくな!」
…そんな…うそだろ………絶望だった
500万の借金に上乗せって………
孝之わひじりのマンションに向かった
