叶わぬ恋でも君のために。
第10章 君の変化
「ちぇっ…。」
ちぇっ…、って…
子どもじゃないんだから。
軽くメイクをして
私は一人、部屋を後にした。
秀ちゃんに、門まで送らせてと言われたけど
これ以上サヤさんに嫌われたくない。
廊下を歩いていると、拓実君の部屋のドアが開いた。
「よっ。」
壁にもたれながら軽く右手を挙げる弟君。
待ち伏せでもしてたんじゃないかっていうくらいにタイミングが良すぎる。
「眞子ちゃん、恋の残業?」
「…わかってるなら聞かないでよ。」
「否定、しないんだ…?」
「…早く帰らなきゃ…。
ごめんね、またね。」
そう言って拓実君の前を通り過ぎた…
はずだった…。
「眞子ちゃん…
眞子ちゃんから…いい匂いがする…。」
拓実君は、
私の手首を掴んでいたのだ。
ちぇっ…、って…
子どもじゃないんだから。
軽くメイクをして
私は一人、部屋を後にした。
秀ちゃんに、門まで送らせてと言われたけど
これ以上サヤさんに嫌われたくない。
廊下を歩いていると、拓実君の部屋のドアが開いた。
「よっ。」
壁にもたれながら軽く右手を挙げる弟君。
待ち伏せでもしてたんじゃないかっていうくらいにタイミングが良すぎる。
「眞子ちゃん、恋の残業?」
「…わかってるなら聞かないでよ。」
「否定、しないんだ…?」
「…早く帰らなきゃ…。
ごめんね、またね。」
そう言って拓実君の前を通り過ぎた…
はずだった…。
「眞子ちゃん…
眞子ちゃんから…いい匂いがする…。」
拓実君は、
私の手首を掴んでいたのだ。