テキストサイズ

叶わぬ恋でも君のために。

第15章 別れの時

“会いたい”



それしか無かった。



私が出た行動はスマホを耳にあてたまま
財布の入ったバッグを手にして


玄関を飛び出した。




「眞子ちゃん、何してるの?」


「何って…秀ちゃんに会いに行くっ。」





「行かない方がいい。」




その低い声に駆け足だった私の足がピタッ、と止まった。




「なんで?」



「親父も一緒だ…。」



そんなの…そんなことなんか…。



「自宅謹慎中に…

しかも兄貴に会いに行くなんて…



会社を辞める…覚悟ある?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ