テキストサイズ

叶わぬ恋でも君のために。

第16章 それでも君を想う。

「どうして嘘なんか…。」



「どうしてだろうね…。

きっと眞子に振られるのが怖かったのかな…。」



「そんなっ、振るなんて。」


「だってあの時、眞子、仕事辞めなかっただろ?」


「だってあの時は…。」




「俺は結局…眞子の俺に対する気持ちを
不安に感じていたんだ。


遠距離恋愛なんてとてもできる気がしなかった。


眞子に海外についてきてもらえたとしても…
眞子が後悔するんじゃないかって…


それなら眞子の好きな仕事を


眞子の好きな場所で続けさせてやろうって


そう思ったんだ…。」



智哉…。




「その決断は…人生最大のミスだったけどね。」



…?



「だって…眞子、

こんなに悲しそうな顔してる。」



そう言って智哉は少し冷たくなった手で
私の頬に触れた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ