叶わぬ恋でも君のために。
第17章 切ない再会と悲しい初対面
「顔を…上げて下さい…。」
秀ちゃんが少し低いトーンで私に声を掛ける。
「眞子?」
そう言って私の肩に触れる智哉の手に
やむを得ずゆっくりと顔を上げた。
彩さんは…秀ちゃんにピタッと寄り添っていて…
私を見て優しく微笑んでくれている。
秀ちゃんは…
無表情というよりは、少し冷たく感じる表情で
私と智哉を交互に見ながら
「…ありがとうございました。」
私達に頭を下げた。
そして…
「彩、行こう。」
彩さんの背中に秀ちゃんはそって手を添えて
二人は部屋を後にした。