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叶わぬ恋でも君のために。

第19章 表の顔と裏の顔

「…いえ…特に…。」


秀ちゃんが答えると



「それじゃ、コイツ…連れて行きますね。」



智哉はそう言うとさっきまで秀ちゃんに掴まれていた私の右手首を掴んで


私を引っ張るように歩き出した。


自販機に行くと智哉は私に“俺のおごり”そう言って私の分のコーヒーを買ってくれた。


歩いて来た通路を戻ると秀ちゃんはまだこちらを見ながら立ったままだった。



「コーヒー代、払うから…。」


私が智哉にそう伝えた時、ちょうど秀ちゃんとすれ違った…。



「素直になれない奴は


一生後悔すればいい。」



智哉は秀ちゃんにも聞こえる声でそう言ったけど




私が素直にご馳走にならないと
一生後悔するとでも思ったのだろうか…。

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