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叶わぬ恋でも君のために。

第21章 自分のために。

彩は---




“私を振るなんてあり得ない。”


“何で二度も同じ人に振られなきゃいけないの?”



そう言って激怒していた。



その言葉を聞いて…彩も、俺のことが好きだった訳じゃない。


そう感じたんだ。




案の定、彩のお父さんも激怒していて
もう取引はしないと言い出した。





俺が親父と言い合って家を出た後、



彩が…




“拓実がいい”って言い出したんだ。






拓実も眞子ちゃんのことが好きだと思っていたのに



あっさり快諾したらしく



やっぱり拓実は彩のこと、忘れられなかったんじゃないかなって…


この二人はもしかしてずっと昔から両想いだったのに


俺の知らない何かがあって
今まで一緒になれなかったんじゃないかな…。


もしかしたら俺みたいに勝手に相手の幸せを願って身を引いていたのかもしれないし。


もしかしたら、拓実は…結局俺のことを思って
アイツが一番遠慮してたんじゃないかなって…。





親父も最初は反対してたけど
拓実だって優秀な人間だ。


彩のお父さんが拓実を受け入れてからは
親父の気が変わるのも早かった。


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