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叶わぬ恋でも君のために。

第5章 好きになってはいけない人

「秀ちゃんのことなんか何も知らないし…。」


私、何でさっきから拗ねたような言い方してるんだろ…。



「だってさ、

知る必要無いでしょ?




僕達…


期間限定の関係なんだし…。」







きゅう、っと締め付けられた胸に
手を当てたいくらいだった。



彼は、当然のことを言っているまでだ。
だから連絡先の交換だって、必要無い。



この任務が終われば


君の部屋に行くことも、
二人で過ごすことも無くなるんだ。








それなのに---


私と夏の思い出を作りたいだなんて…。





「ねぇ、眞子ちゃん…。


僕は、僕の過去を眞子ちゃんに知ってもらうために時間を無駄に使いたくない。


眞子ちゃんと一緒に居られる残りの時間を楽しく過ごしたいんだ。」



「秀ちゃん…どうして…」



「眞子ちゃんは、何も気にしなくていいから。」




私の言葉を遮って君は言ったんだ。





「僕のことなんか気にしなくていいからさ…


この仕事から外れたいなんて思わないで



最後まで




僕の傍にいてね?」

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