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「生田さんを元気づけられるかどうかは
わからないけど、一つ教えてあげる。」



「え？」




「兄貴は、バカなんかじゃない…。」




「…？」



「兄貴は、
ある日を境に変わったんだ…。



というよりも、変わった振りをしている。」



そんな…。



「その振りに気付いているのは

俺と、サヤさんだけだ。」


「…。」



「兄貴は頭が良いのはもちろんだけど
人の気持ちに敏感すぎる…。


優しすぎるんだ…。


だから、自分が経営者に向いていないこともわかってる。



それに…


生田さんの気持ちにも気付いていると思うよ…。」





！！！




「俺が彩のことが好きだっていうことに
気付くのも早かったし…

彩に別れを告げたのも、兄貴からなんだ。」



嘘…。





「兄貴は…繊細なうえに、人の気持ちを試すようなことをしたりしてちょっと面倒な男だけど


本当に信用できる人を探している…


俺は、そんな気がするんだ。」