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鍵のない手錠

第1章 春

ーーー


「りゅーじ・・・・」
「なに?瑛、俺のこと好き?」
「え・・・って!!今その話じゃねーだろ!!」
「・・・瑛、可愛い。怒った顔も好き」

そういって、俺が袖を握ってた手の
上から俺の手を重ねて
小さくキスをした


ん・・・・・


綺麗な顔・・・
俺だけの瑛


そう思いながら、軽く唇をあてるだけのキスをたくさんする

幼馴染で男同士でキスなんて変だ!って
瑛はそう言ってたっけ


俺がアメリカにいく練習だって言ったら
渋々させてくれてはいるけど

単なる友情だって
そう思ってんだろーな

そんなことを考えてると
瑛がもういいだろ、というように
首を左右に振った

「瑛。お前は魅力的だし、肌も身体も顔も全部綺麗だ。俺だけのもん・・俺だけの瑛・・・・・」
「・・・・なにそれ。俺別にそんな綺麗じゃねーよ」
「お前は知らないだけ。俺絶対帰ってくるから。いい男になって、絶対お前を迎えに来る。そしたら、俺と結婚してくれる?」


結婚なんて男同士でできないこと
それがいけないことだって
小学生だけど知ってる


俺より大人の顔した隆司
身体も中学生みたいで
頭も良くて
背も高い
俺の憧れの隆司が

真剣な目で俺を見てる


「瑛。俺のこと待っててくれる?」


黙ってる俺にまた隆司が聞いて
そして後ろからギュッと抱きしめられた


あ・・・これ、・・好き・・・・・


ギュッーってされると
昔から安心するから


「隆司ー!もう行くわよー!!!!」

しばらく包み込まれてたのに
隆司のお母さんが階段したでそう叫ぶのが聞こえて
俺たちは体を離した


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