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妄想メール

第2章 電車

手を離したら止めるからね。あなたの言葉は透明の鎖、目に見えない手錠が吊り革と私の片側の手首を繋いだ。
込み合っている車内で、あなたの体温が熱く重なる。スカートのファスナーが下とされて行く音を肌で聞く。下ろしていたあなたの手は開いたところから滑る様に私の中へ入って来る。ぴたりと重なった二人の身体、あなたの手だけが、揺れる電車とは違う動きをする。
あなたの手は下着の紐をゆっくり引く、私はパンティーが落ちるのを恐がり腿を閉じる。あなたは、そんな私に構わず、反対側の紐も引く。股の間を擦れて行く布の感触に息が漏れる。そのすぐ後、何もない不安に胸が鳴る。あなたは抜き取った下着を私に握らせる。わざと濡れた部分が手のひらに当たる様に…。触れられる前から、下着を濡らしてしまっている事に、なお身体は火照り、その箇所は潤む。これ以上は無理…と、あなたを見つめる。

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