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ワタシの履歴

第11章 別れ

涙が流れ落ちそうだった。

「…そっか、そう決めたなら分かった」


私は、電話で良かったと思った。

鼻水も涙も、彼には見えない。

あなたと別れる事なんて、悲しくない!泣いてなんか無い!

そう思わせたかった。


付き合っている時、自分が優位に立っていたと思っていた私は、気が強くて、すがる事が出来なかった。

でも優介と縁が切れるのはイヤだった。
(ゴルフ場は付き合ってから1年後の夏を前に、不景気の為バイトの人は解雇されて辞めていた)

だって、歪んではいたけど、やっぱり私は優介がスキだったから。
だから…

「…じゃあ、今度友達として飲みに行こうね!」

「…そうだね!」

こう言うのが精一杯だった。

「じゃあね…」

と言って、私から電話を切った。


本当はもっと話したかった。
もっと一緒に居たかった。



泣いて、泣いて、泣き崩れたー




この約束は、今も果たされていない。

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