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ワタシの履歴

第24章 嘘

私は、初めて龍平の前でこんなに怒った。

龍平も驚いていて、焦っているのが分かる。

続けて私は、今度は静かに言う。

「1回だけじゃないんでしょ」

龍平は観念したのか、眉間にシワを寄せて目を閉じて答えた。

「…うん…お店で1回と…外で何回か…」

「…付き合ってるの?」

「付き合ってなんかない!」

「…嘘じゃないよね!?これ以上の嘘は絶対に許さない」

「本当だ…ゴメン…」

「謝って許される問題じゃないでしょ」

私は静かに、でもハッキリそう言って、寝室に入った。


『悔しい!悔しい!悔しい!』


怒りと哀しい気持ちと、騙されていた事に悔しい気持ちでいっぱいになった。


本当は壁を殴りたい!

棚の物を全部投げつけたい!

大声で叫び暴れたい!

なにより龍平を殴りたい!


…でも私には、そうやってキレる事が出来ない。


そんな衝動にかられても、高校の時のハブられた経験で、周りの評価や他人の目を気にするようになった私は、キレて暴れるなんて出来ない。


誰が見ている訳でも無いこの部屋でも、それが出来ない。

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