テキストサイズ

ワタシの履歴

第24章 嘘

キレて暴れる事が出来ない私は、悔しさと怒りの余り、涙が溢れてきた。

『泣いてたまるか!あんなヤツの事で泣きたくなんかない!』

そうは思っても、涙は勝手に次々とこぼれ落ちる。


その時、夫が寝室の外から声をかけてきた。

「輝子…本当にゴメン…開けていい?」

いい訳ない。

「入ってこないで!」

「…ゴメン!本当にもう二度としないから!」

「…」

「輝子…」


私は何も答えない。

涙が溢れて、何も答えたくなかった。

泣いているのがバレるのがイヤだった。


この日は、そのまま寝室から出ないで朝まで過ごした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ