テキストサイズ

ワタシの履歴

第25章 距離

夜になり、龍平が帰ってきた。

「ただいま」

申し訳なさそうな顔をして言う夫。

「お帰り」

だけ言うと、私は夫のご飯をよそってテーブルに置いた。


TVを見ながら黙々と食べる二人。

私はまだ結論が出せていない。


ご飯が食べ終わって、テーブルから下げていると、夫が手伝ってきた。

そして洗い物を済ませ、テーブルに座り、夫と向き合った。

「私、浮気は本当に許せない…」

「うん…」

「でも、離婚するかって言われたら、まだ決意が出来ない…」

「…うん」

「もう少し、時間が欲しい…」

「…どの位?」

「また1週間は欲しい」

「分かった…じゃあまた職場に泊まってくるよ」

「いや、いいよ。ママが入院してさ、お見舞いもあるしパパのご飯とかもあるし、実家にいようと思う」

「え?入院?

「うん、骨折だって」

「そっか。分かった」

「だから、龍平も私と今後どうしたいか、考えて」

「…分かった…」

こうして、また1週間距離を置く事になった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ