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ワタシの履歴

第31章 終末

いけない事ではあるが…私は隠してチェルシーを連れて一緒に泊まった。


この2日が、私たち夫婦の最後の日だった。

まず、チェルシーを病院に連れて行き、もう見付けてあった茨城の地元の病院宛の紹介状を貰って、栄養剤の注射をうった。

先生にお礼を言い、病院を出て市役所に向かった。

離婚届けを出す為だ。

離婚届けは、龍平も一緒に行って出した。

その後、家まで戻って、荷物を積んだ。

龍平は手伝ってくれた。

荷物を積み、ゲージを入れて、全てを車に詰め込んだ…

あとは私が居なくなれば…



車に乗り、龍平の顔を見る。

龍平は、眉間にシワを寄せていた。

でも、この眉間のシワは、怒っている時のものとは全く違う…

目は赤くなっていて、いまにも流れ落ちそうな涙でいっぱいだ…

【最後は笑顔で】

龍平も、そう思っていたんだろう。

涙が流れ落ちないように眉間にシワが寄って、でも笑顔で…あの複雑な表情は、一生忘れない…

そして龍平は言った。

「ありがとう。ごめんな。楽しかったよ」

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