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ワタシの履歴

第33章 支え

その夜、フロントの仕事が終わる時、佐藤さんが話しかけてきた。

「輝子ちゃんって、夜にう○こ派?」

『は?』

「いえ、夜は余りしませんけど…」

「へぇ、そうなんだ。夜、11時前に必ずトイレ行くよね?トイレの音が聞こえるんだ。てっきりう○こかと思ってた」

と、ニヤニヤしながら言われ、私は恐怖を覚えた。

変態としか思えない…

それに、壁を隔ててトイレなら聞こえてしまうのは分かるが、壁があって、廊下があって、203の部屋側にトイレがあるのに…

気持ち悪いし怖い。

仕事の帰り道も、自分の部屋に戻るまで本当に怖くて、足音をたてないようにした。

次の日、社長にまた相談をした。

社長は、佐藤さんには辞めて貰う方向で考える、でも来たばかりだし、あと数日様子を見るから辛抱して、と言った。

私は恐怖を感じながらも仕事を教えて、でも冷たくあたる事にした。

佐藤さんは、仕事覚えも余り良くなくて、なのに私語ばかりですぐに話しかけてくる。

私は厳しく言った。

「佐藤さん、話は仕事覚えてからにして下さい。それはいいからこっちが優先でしょ?」

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