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ワタシの履歴

第34章 複雑

それからも、変わらずにメールをし合い、電話も頻繁にしていた。

遊びにも行った。

高田くんは返事を求める事はせず、態度は告白をする前と変わらない。

私は、告白されてから、彼を良く見るようになった。

前から優しいとは思っていた。

にしたって、すごく優しい。

本当に気遣いがすごい。

まるで私はどこかのお姫様なのかという程だ。

私を大切に想っているのが分かる。


ある日、ロックハート城に行った。

そこにはチャペルがあったり、恋人達の願いが叶うと言われている場所の一つだ。

城に行く手前に20mくらいの塔があり、そこに入ると、螺旋階段が上まで続いている。

壁には無数の石板があり、そこには【Wedding】と、2つの名前が彫られていた。

ここで結婚式を挙げたカップルのものだろう。

螺旋階段を上まで登りきると、中央に、紐がついた鐘があった。

その下には、直径5cmくらいの鉄のような筒が長々と下まで続いていた。

手前には
【鐘を鳴らしお金を入れて、それが下まで辿り着けば願いが叶う】
みたいな事が書いてあったのを覚えている。

高田くんが言った。

「ねぇ、鐘鳴らそうよ」

私は聞こえていないふりをし、話を反らした。

「コレさぁ、下まで辿り着いたらって、筒が下まであるんだもん、辿り着くよね」

と笑って言った。

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