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ワタシの履歴

第34章 複雑

「え?あ、そうだね」

と、高田くんは少し顔を曇らせたが、すぐにいつもの笑顔を私に向けた。

そしてまた言った。

「ねぇ、鐘鳴らさない?やっぱダメかな?」

今度は目が合ったところで言われた。

シカトはいくらなんでも出来ない。

躊躇したが、私は本心を言った。

「…こういうのは…恋人同士でやった方がいいと思う。うちら付き合ってる訳じゃないし…」

…高田くんは悲しそうな顔をして言う。

「…そうだね」

そして悲しみが残った顔のまま、私に笑顔を作って見せた。

その顔を見て、私は心が痛んだ…


私はまだ、高田くんと付き合うかどうか悩んでいたんだ。

もし、振る事になったら、鐘を鳴らしていたらすごく残酷な気がした。

まだ決まってない以上、期待を持たせる事はしちゃいけないと思った…

そもそも、ロックハート城になんか来ちゃいけなかったのかもしれない。

でも私は、まさか恋人の人気スポットとは知らなかったのだ…

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