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ワタシの履歴

第34章 複雑

「いえ!友達です!」

「そうなの?親切ねぇ」

「はは。そうなんですよ」

私は笑顔で言った。

―なぜだろう…咄嗟に否定をしてしまった。


確かにイケメンではない。
身長も私と変わらないし、髪型もいじってなくて、服装は仕事中とだけあって普通のスーツ。
決してオシャレでは無い。

でも、彫りは深くてブサイクでは無いし、見る人によっては【カッコイイ】と言う人もいるかもしれない。
何より、とても優しくてイイ人だ。

隣を歩きたくないなんては思わないし、隠す必要なんて…無いはずなのに…


高田くんは、スノーボードは8年もやっていた。

だから私が篭っている間は、絶対に私のホームゲレンデに滑りに来ていた。

私は、高田くんと一緒に滑っている時にクラブの皆と会ったりもしたが、付き合ってると言っていない。

そもそも、彼氏がいる事自体、言ってなかった。

『あぁ、あの時否定したのは、離婚したばかりで彼氏がいるなんて、言えなかったからだ…だから皆にも言えないんだ…』

周りの目を気にする私は、そう、その時は思った。


けどー


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