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好きになっちゃだめッ!!

第6章 本当の気持ち

ポカンと見つめてくるセナ様。


よし…聞こう。



『聞いちゃったんです…その…喧嘩を…』


ジッ…と彼を見つめる。


「………………はぁ…」


その時、セナ様の目付きが変わった。



「どうしてそんなに知りたいわけ?」


鋭い目付きのまま近寄ってくる。

グイ!!


『いった………!』


手首をギュッと掴まれる。


「そうだよ、俺は父さんが大嫌いだ。ついでに、俺から全部を奪った妹もな。」


これが…セナ様?


いつものおちゃらけたセナ様は、そこにはいなかった。


『ど、どうして…』


「どうして?簡単だよ、お父さんは俺より妹を選び、妹は母さんを奪ったから。」



ギュッと掴まれた手首に力が入る。


まるで怒りを表すように。


痛みと悲しみで言葉がうまく出ない。


これが…っ


本当のセナ様なの?


私が見たかった…


本当のセナ様の姿なの?




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