
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
自分の立場に絶望とする。
あぁ…うん、そうだった。
新入生歓迎会は、伝統とやらで
鬼ごっこをすることになってたんだ…。
そんでもって、俺は、その鬼ごっこで
逃げるポジションにいる。
正直、昨日のイチゴケーキくらいから
今日の今まですっかり忘れてたわ…。
はぁ…
俺としたことが油断してた。
あーぁ、やなこと思い出した。
俺は、バンッと勢いよく
机に顔をうつ伏せた。
逃げるなんて、格好悪い。
つんつん
何やら肩に違和感…。
俺は、顔を上げる。
「岬ちゃんは、俺が必ずしも捕まえてあげるからね♪」
急に金太郎が横から現れて
人の肩をつついていた。
ご丁寧に語尾に音符まで付けやがって。
んだよ。
そのやる気満々の顔はっ!!
嫌味なのか?あぁ?
内心 気楽なコイツに殺意が芽生えそうになった。
「お前らは、いいよな。鬼で」
俺は、そっぽを向きながら、
大悟と金太郎の二人にそう言った。
周りから見れば、
俺が八つ当たりしているように見えると思うけど、
そんなのどうだっていい。
「えっ、岬ちゃん、鬼がよかったのー?」
いかにも金太郎は、
意外だという目を向けてくる。
「ふんっ。当たり前だ。逃げるとかダせぇじゃん」
どうせ鬼は、俺に似合わないとか
言いたいんだろ。
ムカつく。
それに、逃げるのは
結構疲れるし、体力使いすぎるのが
嫌だ。
「そうなのー?じゃあ、逆に逃げ切れたら、かっこいいってことになるんじゃない?」
「んっ!?」
俺は、かっこいいという言葉に
過敏にピクッと反応した。
今、確かに『かっこいい』と
言ったよな?
「そ、そうなのか…?」
俺は、正しいかどうか知りたいため
聞き直す。
