
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
これで白状すると思ったけど
上手くいかない。
「ほ、本当のことってなんだよ!?い、意味わかんねー」
岬は、挙動不審になりながら
目をキョロキャロと泳がせている。
こんなわかりやすい嘘、誰だって
すぐ気づく。
また、問い詰めようとしたら、
《では、結果発表をしていきたいと思います!》
絶妙なタイミングで、実行委員みたいな奴が
今年の鬼ごっこの結果を報告する声が聞こえてきた。
まぁ…岬が言うに
誰にも捕まっていないというからには、結果なんて
どうでもいい。
《今年は、あの生徒会の中から一人だけ参加している方がいます!!》
その途端に会場は
『キャー!』や『わぁー!』の甲高い声に包まれた。
「へぇー、生徒会の中から一人だけ参加してた奴いたのかよ」
岬は、嫌な顔をしながら、小さく呟いた。
こんな嫌がるのは無理もない。
だって、あの会長って奴に…
あぁ!もう思い出しただけで腹立つ。
でも、そのあと
ちゃんと消毒(俺の口で)したし…
次、また同じことがあったら
俺、殺人に走るかもしれない。
あー、今は、
そんなこと考えないでおこう。
まっ、岬のその様子からしたら、
鬼ごっこをしている時
生徒会の奴らとは、
関わっていないんだよな…?
俺は、ホッと息を吐き
ひとまず安心する。
