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「俺は、男だ!クソ野郎」

第5章 鬼ごっこ…?







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………。






公衆の面前で、男に抱っこされてるところを見られるとか

一生の不覚。


恥だ。



今、さっきあった出来事に

かなりへこんでいる。





「ねぇ…み・さ・きちゃん」


ニコリと黒ずんだ笑顔を

浮かべてくる大悟。




「は、はい…」


怒りたいのは、俺の方だ。


だけど、今はそんな気分じゃない。





「どうして、あんなチャラ男に捕まったのかな?」



「思い出したくない」



俺は、そっぽを向く。



「往生際が悪いね。…ちゃんと言わないと、ものすごく熱いキスするよ?」



そう言って、俺の顎をクイッと

持ち上げる。



「わ、わかった!言うから、離れろ!」



ある程度の距離を保つ。




「と、図書館で寝ているところを捕まれました…ははっ」




俺は、正直に話した。



顔を俯けていたせいか、

キラッと大悟の目が光ったことに気づかなかった。







「…へぇ。寝てたんだ?」


ズカズカと近づいてかる。



「な、何回も言わすな」



俺は、大悟が一歩前に進むごとに

それに合わせて、後ろに下がっていく。




「今度、無防備なことしたら、キス以上のことするって言ったの覚えてる?」



大悟の口角が上がる。



「は、は…?」




無防備なことしたら…?

別にした覚えないけど。



でもそんなこと言ってたよーな…。



てか

キ、キス以上ってなんだよ!?





「じょ、冗談だよね…?」


「これが冗談に見えるの?」




大悟の目を見ると

本気だ。





じゃあ何?俺、

殺されるわけ!?



いや、そんなん笑えないよ。



まだ死にたくない。




そう思っていたら、背中が壁について

もう下がることができなかった。




そして、大悟は俺の左右横に

両手を壁につけ、囲んだ。




ナニコレ、逃げられない。






「…だから、覚悟できてるよね?」



「っ!?」



で、できてるわけねーじゃん!


岬、ピンチです。















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