
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
やっぱり、生徒会だったんだな。
俺は、今起きてるこの現状に絶望する。
おかしいと思ったんだ。
橋川翼とか杉本岬とか
そんな簡単に同姓同名がいるはずないじゃん…。
くそっ…。
何か騙された気分になって
無性に腹立つ。
俺がイライラを募らせている時に
のうのうと
《翼様が上がってきてくれました!!では、次に残るは岬ちゃんだけです!!》
アナウンスのアフロヘアーは、
そう言った。
なれなれしく、人の名前を
ちゃん付けすんなっ!ハゲッ!
声なんて届くないはずないから
睨んだ。
……てか。
上がらないといけないの?
はっ、誰が悲しくて上がるかっての。
《おー!もしや、隅の方に王子といるのは、姫では!!!?》
えっ…。ちょ、やめ。
アフロが俺たちのいる方を
指さしながら言った。
そしたら、皆
一斉にガバッと振り向く。
え?なにこれ、怖い。
俺は、大悟の後ろにすぐさま隠れる。
あのアフロ…
ガチ、ハゲろ。
呪ってやる。
悪の感情が溢れ出てきた。
すると、急に大悟が
クルッと方向を転換してこっちを向いた。
「岬……。俺、絶対あっちには連れて行かないから」
そう囁いて、俺に……
世間で言う、“お姫様抱っこ”を
しやがった。
急なことだったため、
俺は、ポカンと固まる。
大悟は、前を向いて
舞台に届くほどの声で
「すいません。…“これ”俺のなんで。」
そう笑顔で言って
そのまま俺を抱っこしながら
体育館を後にした。
